まだ夜も明けきらぬ午前6時。
食堂へ向かう目の前の空には、沈み行く月が見えた。
弓場農場の一日は、
「朝食の支度ができたよ!!」
の合図で始まる。
角笛。 ぶぅーーうぉ~ん ぶぅーーうぉ~ん。
農場中に響き渡る、この笛の音で目が覚めるんだ。
コレは昼ご飯の時の写真だよ。 |
角笛が聞こえて、あー起きなきゃ、と思いつつ、あと五分・・・的なまどろみをさ迷う。
寝ぼけた頭で、ここは弓場だったんだ、ホントに起きなきゃ・・・と身支度を整え、食堂へ向かう。
6時15分。
朝ごはんの時間が少しづつ遅くなってく。今日なんて、6時半まで眠っていたよ。
朝はパンを頂いております。ご飯もあるよ!! |
それでも、まあいいんです。 7時までにご飯食べて準備できればセーフなんです。
7時。
畑へ向けて出発。
昇りつつある太陽を眺めながら、
トラクターが引っ張る荷台に揺られて。
おくら畑に到着。
収穫作業なのだ。
作業着は全部貸してくれる。長靴も、靴下までも。
立派な木であります。
私の家で育てていた、家族の食卓を賑わすかわいいオクラとはえらい違いだ。
午前中はこれでお終い。
12時に角笛を吹いて、お昼ご飯が始まる。
みんなで黙祷する。
それからいただきます。
食卓にはオクラも並ぶよ。
いろんな姿になって出てくるよ。
食べ放題なんだ。ご飯に味噌汁。とれたての野菜。たまご。漬物。豆。
それから、日替わりのメニューがなにかしらあって、私を楽しませてくれる。
あんかけ焼きそば、うどん、てんぷら、おから、茶碗蒸しのようなもの、カレーライスの日もあった。いつも日本の料理ですよ。
ついつい食べすぎてしまいます。
午後は1時から
オクラのパック詰めをやります。
町のスーパーに出荷してるらしい。300gのと400gのと作ります。
ブラジル人もおくら食べているんだね!!
パック詰めが終わったら、晩ご飯まで自由時間だね。
早く終わる日もあれば、5時くらいになった日もあった。
シャワーを浴びたり、洗濯したり。
こちら洗濯場。
洗濯機3台。手洗い用に洗濯板になってる流しもあるのだ。
作業着はこの昔っぽい洗濯機で洗います。
洗剤も手作りのがある。スライムみたいなとろり~んってヤツ。
6時15分に角笛がなって、夕飯を頂く。
夕飯の後には、お湯が沸いてる。
ここはまるで日本だ。まるっきり日本だ。
お風呂ですよ。銭湯だね。湯船は4人が足を伸ばして入れるくらい。
やっぱ湯船はいいね。温泉じゃないけど、温泉って言っちゃうヤツがおる。
りんちょだ。その気持ち分かるよ。
りんちょだ。その気持ち分かるよ。
夜は、お酒も飲めるよ。つまみも作ったりしてね。
えび。 これは魚釣りの時の、えさの残りなんだってさ。
消灯時間なんてない。好きなだけ飲んでていいんだってさ。
ここには、決まりなんてないんだってよ。
私は、12時ごろには眠ります。
明日も早いからね。
弓場農場の1日。だいたいこんな感じだけどね、
作業はオクラだけじゃないんだ。収穫しない日もあるから、にんにく畑の草取りとか、かんぴょう作りとか・・・
まあいろいろだけど、とりあえず、ご飯食べて、働くってこと。
寝て、働いて、食う。人間の普遍的な生活がある。実にシンプルだよ。
弓場の弓場らしいところは、またあとで紹介させて頂きましょう。
それにしても、
ここ、ホント不思議な所なんだ。
不思議っていうか、私の今までの生活や、常識や、心地よい塩梅や・・・・・なにもかもが覆されるような感覚。
本当のことがなんなのか?大事なものはなんなのか?
もう1回考えてみようって気になる。
おもしろいよ。弓場農場。
不思議なところですね、知りませんでした。なにかに、行き詰ったら、立ち寄ってもいいかな?無心に働いて、のんびりしたら、振り返ってみたいかな?でも、あんまりじっとしていても、前に進めないのかな。なにか、不思議な存在だな。
返信削除tanaka さん
返信削除ホント不思議なところですね。農場の中には、資料館があって、移住の歴史やらを勉強しました。知れば知るほど、分からないことがたくさんになって、とっても興味深いです。
たくさんのことを感じています。考えてもいます。なかなか無心にはなれないでいます。
良い時間です。