結婚式がありました。
手作り結婚式。
という訳で、その準備がいろいろと進められておったのです。
例えば、チョコレートを作るのに、カカオからって言うのね。なんかスゴイね!!
それから、シュラスコ!!お肉ね。 BBQって感じのヤツ。 もちろん牛からってなるでしょ!!
そういうことでしょう・・・
この先、そんな写真が載っけられちゃうからね。グロイかも知れないよ。てかグロイよね。
もうお肉食べられなくなっちゃった~なんて言っちゃうかも知れない人は見ないほうがいいかもね。
そりゃあもう、身を挺しているのだからね、ハンパないよ。
私は、初めて見たんだ。
命を奪う、その瞬間を。
旅行者たちが見守る中、男たちは、慣れた様子で事を進めていった。
牛は、死なされることを、すでに知っているのでしょう。
トラックの荷台の檻のなかで、落ち着かない様子。さっきまで暴れていたらしい。
近づかないで、って注意された。
ぴりりとした空気が漂う。
牛にロープをくくりつけて、荷台からおろす。
降りたら、もう終いだ・・・
牛は、なにもかも分かっているみたいに、なかなか降りようとはしない。
人間は牛を驚かせて、外へ引っ張りだした。
木と木の間に、牛を捕らえた。
暴れる牛。頑張ってる。
だけど・・・・
人間はもう、すぐそこまで迫り来ておる。
首も絞まっているのでしょう。少しずつ弱ってきてるみたいだ。
光るナイフ。
息を呑む瞬間が訪れる。
喉元を一突き。血が噴き出す。
プシャー。
赤い血が噴き出すんだ。
牛は、苦しそうだった。
悲しそうだった。
さぞ恐ろしかっただろう。
恨んでいるようにも見える。
この世に未練を残しているかも知れない。
あるいは、もう観念しているだろうか?
膝をついた。
静かに横たわる。
しばらくは生きていた。
最後の力を振り絞って・・・という感じではなく、
命が尽きるまでに必要な時間を過ごしていた。
こんな時、何を想う?
目を覆ってはいけないのだ。
私は、凝視した。
かわいそうと思ってもいけないのだ。
私は、凝視し続けた。
牛の最後の顔をカメラに収めた。
そして、こんな風に載っけている。間違った事をしているのかも知れないね。
牛は死んだ。
結婚式のご馳走になるのだ。
解体する為に運ばれる。
水で綺麗に洗われた。
まずは、皮を剥ぐのだ。
牛革になるみたいだ。聞くところによると、この牛の量で20レアルほどらしい。およそ800円。
牛革安いなぁ・・・
骨は固い。
斧で砕き、のこぎりでギコギコやるんだ。
内臓もごっそり、綺麗に取り出された。
心臓と肝臓は別の容器にとってある。美味しく頂くために。
胃やら腸やらは、トラックに積まれてどこかへ行った。
子宮からは、赤ちゃんが出たきた。ここの牛はみんな妊娠しているんだって。赤ちゃんのいない牛はいなかった。だから、しようがなかったんだ。と聞いた。
妊娠している牛は、余計に美味しいのだそうだ。
脂がのって柔らかいんだって。
2時間ほどで、あの牛は肉になった。
私は、ずっと見ていたよ。
モーモウ啼いてた彼女が、肉になるまで。
それから、
豚が解体されるところも見学した。
豚はもうすでに死んでいた。
台の上で、キレイに毛を剃られているところだった。
カワイイ寝顔みたいだけど、もう息してないんだ。
熱湯をかけて、薄い皮を火傷させて溶かしながら、毛を剃っていくんだって。
何度も確かめながら、丹念に毛を剃っていくよ。
食べる時、毛がついていたら嫌だからね。鼻の周りや耳は剃りにくいからね、特に丁寧に、剃り残さないようにしてた。
ツルツルに剃り落としたら、内臓を取り出すのだ。
臓器を傷つけないように、お腹の中に手を入れてゆっくりと切り裂いていく。
決まり通りに切り開いていく。
まるで儀式のように。
全部繋がったまんま、ぷるるんと出てきた、豚の内臓。
こんな風になっていたのか・・・
パーテーのご馳走になったら・・・
こんな感じ・・・・
美味しそうでしょ! 不謹慎ですか?
でもね、ホントにめちゃめちゃ美味しかったんだから。
私は肉を食べる。
ちびっ子のころから、ずっと食べてる。
だって、美味しいんだもん。好きよ。
これからも、食べてく。
命をいただく。
以前インドを旅した時に聞いた話。
インドは菜食主義と肉も食べる人たちでは、レストランの食べる席が分けられてる所もあるって。
そんくらいベジタリアンは多いし、肉食を嫌っているってよ。
肉を食べない理由のひとつに、
動物が死なされる時の、恐怖や悲しみや恨みや諦めや・・・あらゆる負の感情を一緒にもらってしまうから
っていうのがある。
肉を食べることによって、動物のそういった想いが自分の中に溜まっていって、良くないと考えるらしい。
なるほど、とは思ったよ。だけど、私は肉を食べ続けてきた。
私の中にもきっと、動物たちの悲しみは溜まっているんだろう。そういうことをイメージしてみると、感じないことも無いんだ。
弓場農場で、牛の屠殺を見学した。
イメージするよりも簡単に、鮮明に、強烈に、衝撃的に・・・・
その悲しみを味わった。 と思う。
ありがとう。本当にありがとう。
そんなことしか言えないけど、許してくれるだろうか。
これからも
命をいただきます。
貴方たちは、本当に美味しいのだ。
心を込めていただくよ。
愛を込めていただくよ。
どうもありがとう。
さすがにコメントしにくいな、でも、イキトスでもいつも、肉がそのまま、”ころがっていた”っていう表現がちょうどいいかな。どこに行っても肉はそのまま売られていた。日本にいると、肉は、トレイに乗って、ラップされて、部位ごとに売られているから、意識しないけど、ちゃんと処理している人がいるんだよな。”ニオイ”が鼻につきませんか?ベレンの肉売り場の空気がまだ、頭の中に残っているよ。
返信削除tanakaさん
返信削除コメントしにくいですね・・・
だけど、どうもありがとう。
いつも当たり前に食べていたけど、こんなにも命だったんだなぁって改めて思ったんです。どう言えばいいのか分からなくて、こんなの書かない方がいいかな?とも考えたんですけど・・・
こんな感じになっちゃいました。
市場に行くとホント肉肉していて、ニオイも鼻につきますが、この度の解体では、ほとんどニオイは気にならなかった。
時折、血のニオイが漂いもしたけど、気にはならない程度。
手際よく、進められていく作業。
これは、必要なことなんだ、と思う反面、命を奪う、と考えると、複雑な心境でした。
結婚式のご馳走だったので、牛の屠殺を見学できました。
ラッキーでした。