5.31.2012

合体都市


ペン園を出たのは夜10時過ぎだった。

宿の仲間が、みんなで見送りに出てくれた。



シウダーデルエステから走ってきたバスをつかまえるのだ。


国道に出たところで、暗闇から光が、こちらへむかって来ているのが見える。

バスだ!!

車道の中ほどまで出て、バスに手を振ってくれてる奴がおる。

サチだ。彼女のお陰で、バスが止まった。

私は、有り得ないスピードでバスに乗ることができた。

ひとりでなんか心細くて、上手くつかまえられなかったと思うよ。どうもありがとう。



猛スピードで走るバス。ふかふかのシートに快適なリクライニング。

いつの間にか眠りこけていたね。


バスが止まり、電気もついていたのに・・・・

ちっとも目が覚めなかった。

とんとん、と叩かれて・・・


げげぇーーーー

ナニゴトですか?



ただの検問でした。パスポートを丹念に調べている様だったけどね。なにかな?

ナニゴトも無かったように、バスは走り出し、ナニゴトも無かったように、私は眠った。




とんとん、とまた叩かれた・・・・



げげぇーーー



到着しとるわ。乗客、誰も乗っとりゃぁしません。

私、こんなにぐっすり眠れるようになったんだね。


ペドロ ファン カバジェロ  7時間くらいで到着。80,000G


パラグアイとブラジルの国境の町です。

この町、実は、、、合体都市なんです。


初めて聞く名前です。

合体?

なんでしょう!!




なんだか、合体している感じでしょ!!

国境の町ですよ。

ブラジルのポンタポラ って町と 合体してるわけですよ。

パラグアイとブラジルでひとつの町になっているのだ。

国境なんて、ホントは無くていいんだ!!ってことだよね。




こんな何気ないところが、ブラジルとパラグアイが溶け合っているところです。

右がパラグアイ、左がブラジルなのだ。

舗装されてない道だね。他の所はだいたい舗装されているけど、ブラジルの道の方が、若干上等です。

物価もやはりブラジルの方が高めで、カバジェロはパラグアイの中では異常に物価が高い町なんだってさ。

ブラジルの影響らしいよ。

初めての合体都市。興味津々です。




さて、

寝起きでバスを降ろされた私は、明るくなるまでバスターミナルで待つことにしました。

地図もなけりゃ、泊まるつもりでいた宿もどこだか分かりません。ターミナルの前に40000Gの宿があるって聞いてたのに、見当たらないのです。
そもそも、本気で探すつもりにもなっていなかったような・・・気がします。



夜が明けるまでの間、この後の段取りのシュミレーション。

フムフム・・・・

ブラジル側のバスターミナルの近くに宿をとる方が得策だね。

今日、町を散歩して、明日、ポンタポラ(ブラジル)のターミナルから、朝6時半のバスに乗って、ボニートへ向かう予定です。

だからよ、

早朝にひとりタクシー乗って行くのもおっかないし、バタバタしちゃいそうで嫌でしょ。

それから・・・

ここからブラジルのバスターミナルまで、タクシーで50,000Gなんだってさ。

宿代40,000Gとしても、合わせて1800円ばかりかかるのですよ。

だったら、今のうちに市バスに乗って、ターミナル近くの宿に行っておいた方が、朝ハラハラしなくてもすむし、

ブラジルとは言え、宿代2千円以上もしないでしょう・・・・ってことでまとまりました。

我ながら良いアイデアです。



いざ!! 


ブラジルはどっちですか?  こんなザックリな質問にも親切に答えてくれます。

言われた方へ歩く・・・しばらく行くと、突き当たってしまった。どっちへ行けばいいのでしょう?

荷物を背負っているので、無駄には歩きたくないのです。

しかしながら、目的地はブラジルのバスターミナル。こんなの背負って歩いて行ける距離じゃないんだよなぁ。

とりあえず、パラグアイの出国のスタンプを貰っておきましょ。

この辺だったと思うんだけど・・・・記憶は曖昧で、

イミグレどこですか?尋ねながら、さまよってしまいます。

いろいろと下調べして来たつもりなのに、なんにも分かりません。

イミグレ、イミグレ、って聞いて歩いてくと辿り着いたよ!!連邦警察だって。押してもらったハンコを見ると、ブラジルだった。

げげぇーまだパラグアイ出国してないのに・・・・そんなんでよく押してくれたよね。

いろいろ言われてたけど、私が理解できないから押してくれたんだろうね。やさしいね。




まぁ、なにはともあれブラジル入国完了。

だけど・・・ハンコに入国とも出国ともなんにも書いてないじゃん。なんだこのハンコ?大丈夫か?

心配でしようがないのだけど、とりあえずブラジルのバスターミナルへ行くつもりで、バスを探してみました。 


目の前を通るおばさん、どう見ても日本人だ!

ここは、イグアス移住区のように、日本人町にはなっていないけど、日本から移住された方の多い町なのだそうだ。町の中に散らばって住んでるって。

こんにちは ってあいさつしたら、こんにちは って返ってきた。心配だったパスポートのハンコを見てもらった。

さーどうでしょう?って困らせちゃったけど、「この道をまっすぐ行くと、日会って言うのがあるから、そこで、いろいろ教えてもらえますよ」って教えてくれた。




ホント助かる。日本語でお話し聞けるってありがたいです。

心配だったハンコ見てもらって、入国のスタンプで大丈夫ってことでした。
右端の数字が6だと入国だってさ。

(実はブラジル出国の時に発覚したのだけれど、6は出国のハンコだったみたいで、なんで入国のハンコがないんだ?って問題になったのだけど、陸路でポンタポラから入国したって説明したら、OKになった。ちょっとやばかったよ。入国のしるしは、「5」だと思う。よ。)

それから、パラグアイの出国のハンコを貰って、バスターミナルの近くの安宿を探してくるまで、荷物を預かって頂きました。

パラグアイのイミグレの場所も教えてもらって、サクッと出国のハンコも貰いました。順番逆だねぇ~とか一切言われなかったよ。



ブラジルのバスターミナルまで、テクテク歩いて、片道7キロくらいだったみたいね。

ブラジルとパラグアイの旗だよ
風もない、よく晴れた散歩日和だったけど、さすがに疲れるね。

日会に戻り、今夜はここに泊めて頂けることになりました。日会には住んでいる方もいらっしゃいます。


日本語教師の仕事で、最近日本からやってきたばかりというお姉さんが、何からなにまで面倒見てくださいました。美味しいご飯も作ってくれて、相変わらずの遠慮知らずで、モリモリ頂きました。

午後から始まる学校の見学にも連れてってもらったよ。





日本語学校って日本語を学ぶ塾みたいな所なんだって。

イグアス移住地でも聞いたんだけど、現地人や外国人の子どもも少数だけど、日本語習いに来てるんだってね。塾だからよ。学びたい人は日本人じゃなくても、誰でも学べるみたい。

午前中は現地の学校に通って、午後から日本語学校。大忙しで大変だな。ふたつの学校から、宿題もいっぱい出るらしいしね。

ここは、合体都市だからね!ブラジルの学校に通ってる子とパラグアイの学校に通ってる子が居るんだよ。

なんか不思議な感じだね。 

子どもたちは、ポルトガル語と、スペイン語と、日本語がしゃべれるんだってさ。

3つも!!

スゴイねぇ~って驚いてたら、グアラニー語もしゃべれるから4つだよ!! だってさ。

信じられる?4つも喋れるもんかね? 

見てると、日本語は難しそうだね。

みんなお国の学校では、スペイン語かポルトガル語で勉強している訳だし、町で飛び交う言葉もスペイン語とポルトガル語だからね。

それから、家庭環境によっても違うんだね。

両親、じいさんばあさんも居て、みんな日本語喋ってたら、日本語上手になるけど、

ブラジル人のお母さんと日本人のお父さんで核家族ってな感じだと、日本語なんて使わないから、

日本語苦手になるんだわなぁ。 そういう差は当然出ちゃうんだね。


ちびっ子たちは、日本に行きたいんだって。

だから一生懸命、日本語の勉強をするんだって。




ところで、


ちょっと学校の様子を・・・・



校庭の大きな木はマンゴー 実をたくさん付けていたよ。
今は秋で、寒くなってきているから、青いまんま。熟さないかもしれないねぇって。
夏は、熟れてポタポタ落っこちてくるマンゴーの食べ放題なんだって。いいね!

休憩時間はバレーボール。
授業が始まる前に校庭で昼礼があって、ラジオ体操してた。私も久しぶりにラジオ体操したよ。


授業の風景。
今日は、スピーチ大会に出す作文を書くんだって。いつもの授業とはちょっと違うらしい。
かなり自由な雰囲気なのだ。




おそろいの体操服を着てる。


校歌もあるのだ。塾っていうより、やっぱ学校って感じだな。



先生たちもちびっ子たちも、突然やってきた私を温かく迎え入れてくれました。

どうもありがとう。




合体都市・・・・

ブラジルとパラグアイという似ても似つかないイメージの二国がひとつになった町。

お金も言葉も人も、ブラジルのとパラグアイのが交じり合ってる。

そしてまた、ここにも日本があった。






短い滞在だったけど、オモシロい町だった。

みなさんのお陰で、楽しい滞在になりました。

ありがとうございます。

























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